ダイナミックアロケーションとは
Googleアドマネージャーには、ダイナミックアロケーション(以下DA)と呼ばれる配信されている広告枠に対して、【非保証型申込情報】が配信されている場合に、その広告申込情報で設定されたサードパーティのアドネットワーク・SSPのレート(仮想CPM)以上の単価でGoogle(ADX・AdSense)を配信するシステムがあります。
実質、Googleプロダクト(ADX・AdSense)に対してフロアプライス(最低価格)を設定することとほぼ同義です。
今回は、ダイナミックアロケーションを活用した競合配信による広告枠収益改善の仕組みや設定方法をご紹介いたします。
ダイナミックアロケーションの配信フロー
- ステップ① :まず、ページが読み込まれると同時に、GAMに対する広告リクエストが発生します。
- ステップ②: Googlaアドマネージャーが、条件を満たす空き枠の広告申込情報の中から CPMの最も高いものを特定します。今回の場合はネットワークC仮想CPM120円の広告申込情報になります。
- ステップ③:GoogleアドマネージャーがAdX(もしくはAdSense)を呼び出し、【保証型申込情報の広告申込情報の一時CPM】または【空き枠の広告申込情報のCPM】を上回る入札単価の広告を選択(今回はアドセンスの単価をCPM240円とします)
- ステップ④:Googleの方がCPMが高い場合は、Googleを配信。
- ステップ⑤:Googleの方がCPMが低い場合は、最も高い広告申込情報を選択して広告を配信します(ネットワークC)
ダイナミックアロケーション配信の注意点
レート(フロアプライス)をより高く設定するほど、Googleが占める比率は減少します。そのため、実CPMよりも極度に高いCPMをレートに設定した場合、枠全体で見ると最適なCPMを出せていない状態になることが起こりえます。
ダイナミックアロケーションの成果例
1日100万impある、広告枠①には以下の広告申込情報が設定されているとします。
項目 | 内容 |
タイプ | 価格優先 |
配信期間 | 配信中 |
レート(仮想CPM) | ¥35.0 |
アドネットワークAの実CPM | ¥35.0 |
配信ネットワーク | アドネットワークA |
クリエティブ | 第三者配信(3rd party) |
この場合、広告枠①の配信内訳は下記の様になったとします。
配信ネットワーク | IMP | 実CPM |
アドセンス | 40万 | ¥50.0 |
ネットワークA | 60万 | ¥35.0 |
合算 | 100万 | ¥41.0 |
この場合、ネットワークAをCPM35円で100%配信した時よりも、ダイナミックアロケーションによりアドセンスと競合させ配信したときの方が、CPMが10%以上改善されます。
実際にネットワークAのみを100%と配信させた時とダイナミックアロケーションによる配信では6千円の収益差が発生します。
配信ネットワーク | IMP | CPM | 収益 |
アドセンス+ネットワークA | 100万 | ¥41.0 | 4.1万 |
ネットワークA | 100万 | ¥35.0 | 3.5万 |
差分 | 0 | ¥6.0 | 0.6万 |
ダイナミックアロケーションの設定方法
1.Googleアドセンスを配信OKにする
まずはGoogleアドセンス、またはGoogleアドエクスチェンジが配信OKになっているか確認しましょう。確認方法する点は2点です。
- [管理者]>[全般設定]>[広告配信設定]で、「競合の最適化」をONにする
- 広告ユニットの[AdSense で未販売の広告枠と空き枠の収入を最大化] チェックボックスをオンにする。
2.広告申込情報を作成してレート(仮想CPM)を記入
配信タイプは「価格優先」にしてください。
レート(もしくは仮想CPM)に金額を記入します。
レートについて
ここで設定された単価をベースにGoogleとの競合入札を行います。Googleアドマネージャーは第三者配信されているネットワークのCPMをリアルタイムに取得することができないので、ネットワークの実CPMを参考に決定します。
最後に配信する広告ユニットを選択しましょう。
3.クリエティブの入稿。
次に、クリエイティブを入稿します。広告ネットワークを配信する場合は、[サードパーティ]を選択してください。
実際の入稿画面に移動したら以下の設定をしましょう。
- 名前を設定し、[コード]に広告ネットワークのタグスクリプトを入れます。
- サイズを入力
- [SafeFrameで配信する]がデフォルトONになっていますが、offにしてください。(重要)
入稿が完了すると、ステータスが[準備完了]になります。
広告申込情報のチェックボックスにチェックを入れ、[再開]を押すと配信が開始されます。
以上で設定は完了です!