【SEO】canonical(カノニカル)とは?URLの正規化のやり方やSEO対策における効果を解説

【SEO】canonical(カノニカル)とは?URLの正規化のやり方やSEO対策における効果を解説

サイトが検索エンジンで上位表示されるかどうかを「canonical(カノニカル)タグ」が大きく関係しているのはご存知ですか?このタグ1つで上位表示の可能性を大きく左右します。

本記事では、canonicalタグの全てをSEO初心者の方でもわかりやすいように解説しています。canonicalは重複コンテンツ問題の解決の糸口となります。すでにSEOに取り組んでいる方はもちろん、これから本格的に取り組む方の参考になれば幸いです。

目次

canonical(カノニカル)タグとは

canonical(カノニカル)タグとは、ウェブページが他のURLで重複して存在する場合に、その中で最も優先すべき(正規の)URLを検索エンジンに伝えるためのHTMLタグです。このタグは、ウェブページの<head>セクション内に配置され、”rel=canonical”属性を持つ<link>要素として記述します。

canonicalタグはSEOにおいてウェブサイトへの評価に大きく影響する強力なタグです。その分、間違った使い方をすると、SEOの評価が下がるリスクもあります。
これを理解して、慎重に扱ってウェブサイトの管理を行うことが重要です。

canonical(カノニカル)タグの重要性とSEOへの影響

canonicalタグの主な目的は、重複コンテンツ問題を解決することです。
同じコンテンツで異なるURLのページがある場合、検索エンジンはそれらを別々のページとして認識し、それぞれに対してSEO上の評価が決まります。例えば、ECサイトでサイズ違いのTシャツなどが挙げられます。

重複コンテンツは、SEOにとって大きな問題になります。
同じコンテンツが複数のページ(URL)で掲載されている場合、検索エンジンはどのURLをインデックスし、検索結果に表示すべきかを判断するのが難しくなります。
そうすると、SEOにおけるウェブサイトの評価に悪影響を及ぼす可能性があるのです。

canonicalタグは、この重複コンテンツの問題を解決するために活用されます。
canonicalタグを使用することで、検索エンジンは指定された正規のURLを優先し、そのページのSEOパフォーマンスを集約します。

これにより、重複コンテンツが存在する場合でも、そのコンテンツのSEO効果を最大化することが可能です。

canonical(カノニカル)タグを使用すべき事例5選

canonicalタグは、ウェブサイトの構造や内容によっては、特に重要な役割を果たします。以下に、canonicalタグの使用が特に推奨される具体的な事例をいくつか紹介します。

事例1:動的URLによる重複ページが生成される場合

事例1:動的URLによる重複ページが生成される場合

ウェブサイトがユーザーの行動や検索クエリに基づいて動的にURLを生成する場合、同じコンテンツが異なるURLでアクセス可能になる可能性があります。
例えば、ECサイトにおいて色やサイズが違うものの、商品自体は同じという場合です。サイト的には必要な重複コンテンツと言えますが、Googleは重複コンテンツとして認識します。

事例2:システムによって重複ページが生成される場合

事例2:システムによって重複ページが生成される場合

CMSやeコマースプラットフォームなどのシステムが、自動的に重複したページを生成する場合もあります。
例えば、ブログやニュースサイトにおいて、ある記事が複数のカテゴリーやタグに分類されている場合、その記事はそれぞれのカテゴリーやタグのURLからアクセス可能になります。URLにカテゴリーが含まれている場合、複数のページが生成されてしまうことで、重複コンテンツとなってしまいます。

事例3:デバイス別(PC/スマホ)でページが複数存在する場合

事例3:デバイス別(PCスマホ)でページが複数存在する場合

ウェブサイトがデバイス別(PC版とスマホ版)に異なるURLを持つ場合、canonicalタグを使用して、どちらのバージョンが正規のものであるかを検索エンジンに伝えることができます。

なお、この場合に関してはcanonicalタグに加えて、alternateタグの記述も必要です。スマホページが中心のウェブサイトの場合、スマホページ自体をcanonicalで指定し、PCページをalternateタグで指定する形になります。

事例4:サイト移転でリダイレクト設定ができない場合

事例4:サイト移転でリダイレクト設定ができない場合

 

ウェブサイトの移転や再構築により、旧URLを新URLにリダイレクト(転送)する設定が必要です。ですが、ウェブサイトのシステムなどによってリダイレクトができない場合があります。
このような場合、canonicalタグを使用して新しいURLを正規のものとして指定することが可能です。
ただし、旧URLが存在することには変わりないので、リダイレクトさせるのがベストプラクティスと言えます。

canonical(カノニカル)タグの設定方法

canonicalタグの設定は、主にHTMLとHTTPヘッダーの2つの方法で行うことができます。それぞれの設定方法について詳しく見ていきましょう。

HTMLにおけるcanonical(カノニカル)タグの設定方法

HTMLにおけるcanonicalタグの設定は、ウェブページの<head>セクション内に<link rel=”canonical” href=”正規URL” />という形式で記述します。ここで、”正規URL”の部分には、そのページの正規バージョンのURLを指定します。
正規URLのページには、そのページのURLをcanonicalタグで指定します(自己参照canonical)。

具体的なコードは以下のようになります。

<head>
<link rel="canonical" href="https://example.com/sample-page/" />
</head>

このコードは、「このページの正規バージョンは “https://example.com/sample-page/” である」と検索エンジンに伝えます。

HTTPヘッダーへのcanonical(カノニカル)タグの設定方法

一方、HTTPヘッダーへのcanonicalタグの設定は、HTMLタグを使用できない非テキスト/HTMLコンテンツタイプ(PDFファイルなど)に対して特に有効です。この方法では、HTTPレスポンスヘッダーにLink: <正規URL>; rel=”canonical”という形式で記述します。

具体的なコードは以下のようになります。

location /old-link {
add_header Link '<https://example.com/sample-page/>; rel="canonical"';
}

このコードは、「このリソースの正規バージョンは “https://example.com/sample-page/” である」と検索エンジンに伝えます。

canonical(カノニカル)タグを設定する際の5つの注意点

canonicalタグを設定する際には、いくつかの注意点があります。以下に、その主なものを5つご紹介します。

注意点1:canonical(カノニカル)タグの配置位置

canonicalタグは、HTMLドキュメントの<head>セクション内に配置する必要があります。これは、検索エンジンがウェブページをクロールする際、まず<head>セクションを読み込むためです。

一方、canonicalタグを<body>セクションや他の場所に配置した場合、検索エンジンが記述を認識できない可能性があります。

また、canonicalタグはページごとに1つだけ設定することが推奨されています。複数のcanonicalタグがある場合、検索エンジンはそれらのタグの間で混乱し、どのURLを正規ページとして扱うべきか判断できなくなる可能性があります。

注意点2:絶対URLと相対URLの混同

canonicalタグに指定するURLは、原則として絶対URLを使用することが推奨されています。絶対URLとは、ドメイン名から始まり、完全なパスを含むURLのことを指します。例えば、「https://example.com/sample-page/」のような形式です。

一方、相対URLは、現在のページからの相対的なパスを示すURLで、ドメイン名を含みません。例えば、「/sample-page/」のような形式です。

canonicalタグに相対URLを使用した場合、検索エンジンはそのURLを現在のページのURLに対して相対的なものとして解釈します。その結果、意図しないページが正規ページとして認識される可能性があります。

注意点3:設定URLが正しいかの確認

canonicalタグに指定したURLが正しいかどうかを確認することも重要です。間違ったURLを指定した場合、検索エンジンが意図しないページを正規ページとして認識する可能性があります。
記述を追加する場合は、URLに誤りがないか、絶対パスになっているかなどをよく確認しましょう。

注意点4:SEO効果の誤解とその対処法

canonicalタグは、重複コンテンツ問題を解決するためのツールであり、直接的なランキング向上をもたらすものではありません。

そのため、canonicalタグを設定することで、必ずしも検索順位が上がるわけではないということを理解しておく必要があります。
また、冒頭でお伝えした通り、インデックスに大きく関わる部分なので、慎重に設定することが必要です。

注意点5:ページネーションでの使用

ページネーション(複数ページにわたるコンテンツ)の場合、全てのページに同じcanonicalタグを設定しないように注意が必要です。減速としては、それぞれのページには、そのページ自体のURLを指定したcanonicalタグを設定するべきです。

ただし、これについてはGoogleのWebマスタートレンドアナリストであるジョン・ミューラー氏がオフィスアワーで、1ページ目をcanonicalで指定しても問題ないと発言しています。
そのため、ページネーションにおける1ページ目をcanonicalで正規化すると大きな問題になるかと言われると、そうではないと言えるでしょう。

参考:English Google SEO office-hours from November 26, 2021

canonical(カノニカル)タグが適用されているか確認する方法

canonicalタグできちんとURLが指定しているかどうかを確認するには、主に2つの方法があります。

1つ目はURLソースコードの確認です。ページのソースコードを開き、<head>セクション内に<link rel=”canonical” href=”https://example.com/sample-page/” />のような形式のcanonicalタグが存在するかを確認します。
タグが記述されていたら問題ありません。

とはいえ、1つ目のやり方では記述が正しいかはわかりにくいものです。2つ目のやり方としては、Google Search Consoleを使用して確認することができます。
Google Search Consoleは、Google検索におけるウェブサイトのパフォーマンスを監視し、問題を解決することができるツールです。

Google Search Consoleのサイドバーにある「URL検査」からURLを入力することで、ページのインデックス状況を確認できます。その中に「ユーザーが指定した正規URL」と「Googleが選択した正規URL」が表示されます。
前者はcanonicalで指定したURLとなり、後者はそれをもとにGoogleが選択した正規URLになります。ここに乖離があった場合が問題です。Google Search Consoleからインデックス申請(もしくは再申請)を行って解消しましょう。それでも申請しても乖離したままの場合、canonicalの記述が間違っている可能性があるので見直すことをおすすめします。

canonical(カノニカル)タグに関するよくある質問

canonicalについて包括的に解説してきましたが、ここからはcanonicalに関するよくある質問をご紹介します。

canonical(カノニカル)タグを設定すると、他のページは検索エンジンから無視される?

正規ページをGoogleに伝えることができますが、これは他のページが検索エンジンから完全に無視されるわけではありません。指定した正規URLのページは優先的に表示されますが、Googleが判断した場合canonicalタグを無視して他の重複ページを上位表示する場合もあります。

canonical(カノニカル)タグと301リダイレクトの違いはなに?

canonicalタグは、重複コンテンツに対して、どのページが正規URLとなるのかを指定し、インデックスを管理するものです。
301リダイレクトは、指定したURL(旧URL)にアクセスした際、指定した別のURL(心URL)に自動的に転送される設定です。ページのURLが変更された場合や、特定のページを別のページに完全に置き換えたい場合に使用します

どちらも、重複コンテンツへの対策として用いられることがありますが、内容は全く別物になります。使用する際はウェブサイトの状況を鑑みて慎重に行いましょう。

canonical(カノニカル)タグはどのようなページに設定すべき?

canonicalタグを活用すべきページについて、実際に具体例を交えてご紹介します。

  1. デバイスの種類によって異なるURLで同じコンテンツが提供される場合(例:デスクトップ版とモバイル版)
  2. パラメータやセッションIDによってURLが動的に変化するが、基本的に同じコンテンツを表示する場合
  3. 同じ記事や商品が複数のカテゴリーやタグに分類されていて、それぞれ異なるURLでアクセスできる場合
  4. httpとhttps、wwwと非wwwなど、同じコンテンツが異なるプロトコルやサブドメインで提供される場合

なぜこれらの状況で使用すべきかについては、「canonical(カノニカル)タグを使用すべき事例5選」の項目で詳しく解説しているので、改めてこちらの内容をご確認ください。

適切にcanonical(カノニカル)タグを使用してSEO効果を高めよう

本記事では、canonicalタグの重要性から設定方法、適用事例、注意点まで詳しく解説しました。適切にcanonicalタグを使用することで、検索エンジンがサイトのコンテンツを正確に理解し、適切な検索結果として表示することが可能になります。
しかし、その設定や適用には注意が必要で、誤った使用は逆にSEOに悪影響を及ぼす可能性があるので注意が必要です。

このように、SEO対策はcanonicalタグだけでなく、多くの要素が絡み合う複雑な領域です。SEOに関するご依頼は、マーケティングゴリラを運営する株式会社Howcrazyへお気軽にご相談ください。あなたのビジネスに最適なSEO戦略を提案し、実行することで、ウェブサイトの検索エンジンでのパフォーマンスを最大化します。